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「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ(あらすじ)舞台はマウルブロン修道院!!

『車輪の下』は、20世紀ドイツのノーベル賞作家、ヘルマン・ヘッセ ( Hermann Hesse ) による自伝的小説です。

本書の舞台となる「マウルブロン修道院」は世界文化遺産に登録されたドイツの中世の修道院。

エリート高校生の苦悩と挫折をリアルに描いた青春小説として、当時の若者から絶大な支持を受けました。

今回は、小説『車輪の下』(Unterm Rad)について、あらすじと見どころをご紹介したいと思います。

 

「車輪の下」ヘルマン・ヘッセについて

現代でも、『車輪の下』は、中高校生を対象とした読書感想文コンクールの課題図書としてたびたび取り上げられるなど、時代を超えて読み継がれる名作となっています。

学校を舞台にした、若者にとっては共感できる部分も多い作品だと思います。
ではさっそく、内容を見て行きましょう。

 

「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ あらすじ

時は1900年、ドイツの小さな町、シュバルツヴァルトに住む少年、ハンス・ギルバートは、町でも評判の優秀なこどもでした。

シュバルツヴァルトの大人たちも、この小さな町から、名門マウルブロン神学校へ進む生徒が出るかもしれないと、ハンスに大きな期待を寄せています。

当のハンスは、町中の人々の期待を一身に背負い、少々オーバーワーク気味になりながらも、懸命に勉強を続けた結果、ついに、マウルブロン神学校に合格が決定します。

 

入学が決まると、準備教育のため、ハンスはますます忙しくなり、遊ぶ時間もなく、見た目にも分かるほどやせこけて行きます。

マウルブロン神学校は、全寮制の学校です。ハンスは9人と同室になり、その中の一人、ヘルマン・ハイルナーと仲良くなります。

ハンスが主席を狙う模範的な優等生であったのに対して、ハイルナーは自由な詩人肌の少年で、ことあるごとに権力にたてつき、教師たちから煙たがられていました。

ある日、学校からの脱走を企てたハイルナーは、ついに、放校処分になります。

 

友人を失ったハンスは、その日から、孤独感に苛まれるようになり、さびしさゆえの奇行も目立つようになります。

精神を患い、成績も落ちてしまったハンスは、結局、学校を辞めざるをえなくなってしまいます。

そうして故郷に帰ったハンスは、りんご酒の仕込みを手伝っている際、エンマという女の子と、淡い恋のひとときを味わいます。

しかし、それ以上の進展は特になく、ハンスの初恋は、エンマに翻弄されただけで終わってしまいます。

 

その後、もとの学校友達のアウグストが機械工になっていると知ったハンスは、自分も同じ工場で働かせてもらうことにしました。

ある日、ハンスも含めた工場仲間で、近郊にハイキングに出かけることになります。ハンスはそこで大量の酒を飲み、川にずるずるとはまり込んで溺死してしまいます。

ハンスの死が事故だったのか自殺だったのか、それは誰にも分からないのでした。

 

「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ  見どころ&感想

タイトルにもなっている「車輪」というアイテムの使い方がとても印象的です。

たとえば、「へばっちゃいかんよ。でないと車輪の下敷きになるからね。」と言う校長先生が出て来たり(本人は激励のつもり)、エンマに迫られたときに、ハンスが「車輪に触れたカタツムリのように、触覚を引っ込め、殻の中に潜り込む」という幼い反応をした、という描写があります。

ハンスが何かに追いつめられるとき、そこには「車輪」が存在しています。

 

きわめつけは、機械工になってからのワンシーンです。

「死ぬほどみじめな気持ちで、一日中時計の方を盗み見ながら、やけになって歯車をこすりまくる」とあります。

学問の道をあきらめ、機械工として生きて行く決意をしたにもかかわらず、あとからあとから湧いてくるみじめな気持ちが、どうやっても消えません。

 

ハンスの心はとうとう立ち直ることなく、学校と社会という“車輪の下”で、ずるずると死の影に引き込まれて行きます。

周りの大人は、ハンスが大好きで、ハンスのことを応援していました。

けれどもそれが結果的にハンスを追いつめることになってしまいました。

ヘッセ自身は、名門神学校に進学するものの、学校の権威主義が肌に合わず、反発して、みずから学校を去ります。

 

『車輪の下』は自伝的小説ですが、そこだけは、作者は、主人公ハンスではなく、ハイルナーに近い考えを持っているのです。

大人になってからも、第一次世界大戦を批判する論文を書いて、ナチスから「好ましからぬ作家」の烙印を押され、紙を配給してもらえないなどの憂き目に遭います。

思い通りに生きようとすること、それに降りかかる困難を、ヘッセは同時代の誰よりもよく理解していました。

 

『車輪の下』のあとに発表された小説『デミアン』で、ヘッセは登場人物の一人にこう言わせています。

「僕が生きようと試みたことは、僕の中からひとりでに出て来ようとしたものだけだった。それが、どうしてあれほどまでに困難だったのだろうか?」(『デミアン』)

これは、度重なる困難を幾度も切り抜けて来た、作者ならではの感慨だったのかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。ヘルマン・ヘッセの小説『車輪の下』について、ご紹介してきました。

同じ作者の『デミアン』もおすすめです。

こちらもいわゆる学校小説で、主人公が追いつめられるタイプのストーリーものですが、追いつめてくる相手は、大人ではなくて同級生です。

ヘッセを初めて読む人には、『デミアン』の方が、相手(敵)を想像しやすく、とっつきやすいのではないかなと思います。ご関心に応じてぜひどうぞ。

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