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小説「ティファニーで朝食を」~あらすじ~小説と映画の違いはラストの描写!

1958年トルーマン・カポーティによる中編小説『ティファニーで朝食を』ニューヨークを舞台に自由奔放に生きる女性を描いた作品です。

『ティファニーで朝食を』といえば、オードリー・ヘップバーン主演の映画が有名ですが、映画と原作では結末がまったく異なっています。

トルーマン・カポーティ( Truman Caporte )の小説『ティファニーで朝食を』( Breakfast at Tiffany’s )について、あらすじとみどころをご紹介したいと思います。

 

「ティファニーで朝食を」について

1958年の作品で、翻訳は1960年の龍口直太郎訳と、2008年の村上春樹訳とがあります。どちらも新潮社から出版されています。

すでに映画をご覧になったという方も、原作を読まれてみると、二つの違いが楽しめておもしろいのではないかと思います。

では、さっそく内容を見て行きましょう。

 

「ティファニーで朝食を」おもな登場人物

ホリー・ゴライトリー…主人公。マンハッタンの東70丁目のアパートの住人。放浪癖がある。

「私」…無名の作家。

ホセ…外交官。

 

「ティファニーで朝食を」あらすじ

主人公ホリー・ゴライトリーは、マンハッタンの東70丁目のアパートに住む、二十歳そこそこの、個性的な女性です。

語り手の「私」はホリーと同じアパートに住む、無名の作家です。

ホリーには男友達がたくさんいますが、彼らの職業は、映画人や外交官、億万長者、等々、さまざまです。

 

属性を問わず人を惹きつける魅力が、彼女にはありました。

ですが、自由を愛し、籠の鳥になることを嫌うホリーは、自分を取り巻く男たちの誰とも結婚はせず、自身も決まった住所を持たず、名刺には、住所の代わりに「旅行中」と記しています。

 

時は1940年代の初め。

30年代にアメリカを襲った恐慌が、まだ暗い影を落としている時代です。それは、同時に、戦争の気配が国のあちこちに蔓延する時代でもありました。

ホリーは宝石を身につけることには興味のない女性でしたが、ティファニー・ダイアモンドで有名な五番街にはよく訪れます。

 

彼女は、貧困と飢えに苦しむ幼少時代を過ごしており、大人になった今でも、時々正体の分からない不安感(彼女はこの感情を「いやったらしい赤」とよびます)に襲われることがあります。

そんなときに、貧しさとは対極にあるようなティファニーの店内に入ると、そのどっしり落ち着いた雰囲気に癒され、穏やかに気持ちになれるのだと言います。

そんな、一風変わった彼女に「私」は好意を抱き、やがて二人は付き合うようになります。

 

ある日、セントラルパークで乗馬を楽しんでいたところ、馬が暴れ出したため、警官に取り押さえてもらいます。

そのとき、ホリーがマリファナを吸っていたことが警官にバレて、麻薬密輸のギャングとかかわっているのではないかという嫌疑をかけられます。

まもなく、彼女は逮捕されました。

ホリーは、毎週木曜日に、シンシン刑務所に収容されているギャングの幹部を訪問し、暗号を受け取り、それを仲間に伝えるという、ギャングの連絡係を務めており、報酬として週100ドルを受け取っていたのです。

それがバレたため、警察に拘束されることになりました。

 

ホリーとの結婚を考えていた外交官のホセは、このスキャンダルが公になると姿を消します。ホリーは、保釈中にもかかわらず、ブラジルにホセを追いかけて行きます。

しかし、彼には妻子があることが分かり、ホリーは再び放浪の旅へと出かけます。

やがてアフリカに姿を現したらしいことを人づてに聞いた「私」は、アフリカの地に立つ彼女の姿を、ひとり静かに思い浮かべるのでした。

 

「ティファニーで朝食を」見どころ&感想

主人公のホリーは自由奔放な女性ですが、同時に、とても繊細な面も持っています。

繊細な面というのは、つまり、“強気に見える彼女が、実は、理由なくふいにおそってくる不安感に常に悩まされている”という点です。

ホリーはこの感情をみずから「いやったらしい赤」と名づけ、これと向き合います。

そうして、なぜかわからないけれど、ティファニーのお店に入ったときにだけ「いやったらしい赤」の気持ちが落ち着くということを発見します。

 

ホリーの、自分にしか分からない焦る気持ちや怖さといった感情を自分なりのやり方で乗り越えようとする姿は、健気で、まるで少女のようです。

不思議な発言ばかりする、普段の明るいホリーの裏にこんな一面が隠されていたことを知ると、読者は彼女のことをますます好きになってしまうのです。

小説と映画版の一番の違いは、ラストの描写です。

 

小説版では、ホリーは姿を消したまま帰って来ませんが、映画ではこの部分が改変され、語り手の「私」とオードリー・ヘップバーン演じるホリーが、ラストシーンで結ばれる流れになっています。

これは大きな違いです。

ただ、ホリーというキャラクターの特徴を考えると、“結婚という幸せ”の誘惑に一時負けそうになりながらも、やはり一人で自由奔放に生きる決意をし、アフリカまで行ってしまう、という方が、“彼女らしい”選択であるように思います。

 

何にも縛られない生き方が彼女の魅力ですから、ホセと結婚したいと言い出した時や、彼を追いかけてブラジルヘ行ってしまった時は、読んでいてとてもハラハラしました。

『え!?やっぱりホリーもそういう女だったの?』と。

なので、ラストの、ブラジルを去って一人放浪の旅を続けているらしいとわかる描写には、大変ホッとしたものです。

ラブストーリーとしての満足感は低いかもしれませんが、一人の女性の幸せということで考えれば、『ティファニーで朝食を』のラストは、これはこれでハッピーエンドとよべるのではないかと思います。

 

作者トルーマン・カポーティについて

トルーマン・カポーティは、アメリカ南部の1924年にニューオーリンズで生まれました。少年時代をアラバマ州で過ごし、その後、母親の再婚と同時にニューヨークに移り住んでいます。

学歴は高校中退ですが、知能指数が高く、神童とよばれていました。

10歳前後から作品を書き始め、17歳で3つの短編作品を発表し、オー・ヘンリー賞を二度受賞しました。

 

23歳で『遠い声・遠い部屋』を発表して注目を浴び、以後、これが出世作として世に知られるようになります。

その後、『草の竪琴』、『ティファニーで朝食を』の二つの中編を発表すると、8年間の“沈黙の時代”に入ります。

そうして、1966年に、「ノンフィクションノヴェル」と称される大作『冷血』の発表によって沈黙を破ると、次々に短編を書き、再び文壇にその存在を知らしめます。

遺作は、男娼の青年を主人公とした『叶えられた祈り』ですが、こちらは未完に終わっています。1984年没。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。カポーティの小説『ティファニーで朝食を』についてご紹介してきました。

いろいろ書きましたが、私は映画版も大好きです。何と言ってもオードリー・ヘップバーンがかわいらしい。

ホリーのユニークな魅力がとても良く表現されています。

そちらも、まだの方はぜひ。おすすめです。

 

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